ヘルスケア業界の動向とRFIDへの取り組みを不定期とはなりますが今後シリーズで紹介していきます。
第1回目はヘルスケア業界特有の事業から医療機器業界の例を紹介しRFIDの活用状況を紹介いたします。
■医療機器とラベリング
国内の医療機器について簡単に俯瞰(とても広くて深い内容ですので概要を紹介)、そのラベリングの現状についてご紹介します。
・「医療機器」は法律で範囲がきまっている
例えば、工業製品の一つである「ハサミ」も、医療用ハサミになれば法律で規制されるものとなります。また、医療機器には健康保険で費用の一部(負担割合も法律で規定されている)が賄われるものがあるのも特徴です(保険適用されるという)。
・「医療機器の種類」
・義務化されたバーコード表示
医療機器必須ラベリングとして、2022年12月からクラスⅠ、Ⅱ、Ⅲの医療機器には、バーコード貼付が法律で義務化されました。(出典:薬機法改正に向けた対応状況 についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000682481.pdf)
■RFIDの活用状況
2024年時点では、GS1-128データバーやGS1-128データマトリックスのように法律による義務化は行われていません。
しかし、2018年ごろから国(総務省、経産省など)主導のRFIDを用いた医療材料などの物流に対する検証が行われてきました。
大阪大学医学部付属病院、国立国際医療センター病院、自治医科大学付属さいたま医療センター、筑波大学、福井大学、など多くの医療機関でRFIDを医療の現場に導入されてきています。
また、医療材料、医療機器、医療用医薬品を扱う企業においても、メーカーから自社内での取り扱い、医療機関への納入とその後の在庫管理にRFIDを導入、導入検討をされています。
こうした経緯から、RFID導入について、弊社への医療分野での利用検討のお問い合わせが増えてきています。
■RFIDの活用事例
・医療機器の預託
医療機器特有の商習慣として、「預託」があります。「預託」とは、使用が予想される医療機器(サイズ・仕様が事前に決定できないものや、再使用が予想される医療機器など)をあらかじめ医療機関へ貸し出しなどの方法で提供しておき、医療機器が使用されて初めて企業側の売り上げとなり、使用しなかった医療機器は企業へ返却される仕組みです。
ご紹介する例では、手術で使用する医療機器や医療材料の物流をRFIDを利用して管理する例です。
・部材準備(SPD部門等)業界トップレベルの企業と連携
使用される医療部材(例えば埋込人工関節など)、消耗部材などが、手術に際し、がオリコン(折り畳みコンテナ)に格納されます(オリコンに用意することが多く見受けられますが、収納棚にセットする場合も見受けられます)。
オリコン等に準備した部材が指示書と一致しているか、必要部材が全て揃っているかはRFIDを読み取ることで確認ができます。
・手術
手術時時に使用した部材の即時チェック作業を不要にする施設があります。
・使用確認(SPD部門等)
多くの施設では、医事課と診療部門が共同で部材使用確認を行うことが多いと思いますが、手術から返ってきたオリコンのRFIDを読み出し、手術前のオリコンの部材との差分をとることで、使用確認ができます。同時に医事課への情報に使用することができます。
弊社も様々なRFタグをご用意し、医療機器の管理に便利な在庫管理システムの開発も進めておりますので、ホームページの 問い合わせフォーム もしくは メールアドレス まで、お気軽にご連絡ください。